高校を卒業したあとに取る「gap year」とは?日本の浪人とは違って前向きな意味

ギャップイヤーという言葉を耳にしたことがある方もいるかもしれません。
欧米の文化圏では、高校卒業後に学生がとる1年間のお休みのような時間を「gap year」といいます。

「猶予期間」「モラトリアム」と似ているかもしれません。
日本ではあまり馴染みのない言葉ですね。

わたしは大学入学のために高校卒業後浪人したのですが、
あの1年間であらためて自分の志望校を検討したり、集中して勉強に打ち込みました。
自分の中で「浪人」という言葉に後ろめたさを感じていましたが、
思い返すと、有意義な時間だった思います。

「浪人」と「 gap year 」
同じ猶予期間のような時間ですが、
文化によってはポジティブだったり、ネガティブだったりします。

自分自身は浪人したので、当時は後ろ向きな気分でしたが、
この gap year という考え方に触れて、自分の浪人時期を肯定することができました。

gap yearのそもそもの意味

gap yearを辞書で引いてみると、このように書かれていました。

”a year between leaving school and starting university that is usually spent travelling or working:”

Cambridge Dictionaryより引用

「学校卒業後、大学入学前の1年間。一般的には旅行をしたり、仕事をしたりして過ごす」

“a year between leaving school and going to university, which some young people use as an opportunity to travel, earn money, or get experience of working”

ロングマン現代英英辞典より引用

「学校卒業後、大学入学前の1年間。若い人の中には、その時間を使って旅をしたり、お金を稼いだり、就業経験をする者もいる」

どちらの辞書もほぼ同じ意味ですね。
もともとは、1960年代にイギリスから広まり、移動費用が安価になったこともあり、
大学入学前に世界旅行をしたり、アルバイトやインターンの就業経験をする学生が増えたようです。

または、世界戦争の防止のために、
若者の国際交流でおたがいの理解を深める機会をもつという目的もあったようです。

無理解が争いにつながってしまうならば、これから世界を作っていく若者たちが、
未知のものを知るための経験は尊いものだと思いました。

バンクーバーで出会ったgap year期間の友人たち

実際にgap year期間中だと話していたのは、語学学校で出会った2人でした。

それぞれ、ブラジルから来た男の子、コロンビアから来た女の子でした。
2人とも高校を卒業後17・18歳と言っていました。

どちらもその年の9月から大学に入学する予定だということで、
英語圏へ学びに来ていたようです。

出会ったのは4月ごろだったので、彼らにとってgap yearも後半のころ。
2人ともだんだんと、自分の進みたい専攻や就きたい仕事を絞り込めてきていたようでした。

わたしが通った語学学校のクラスは、
日本、韓国、中国、ブラジル、コロンビア、ペルー出身とさまざまで、
年齢層も17歳から40歳と幅広いメンバーでした。
英語という第二外国語を通してのコミュニケーションだったので、
年上年下関係なく、自分達の生活についてフラットに話すことができました。

日本では高校卒業後の猶予期間といえば「浪人」

「浪人」ときくと、わたしは「浮浪」や「流浪」を連想してしまい、
なんとなくネガティブに取っていました。

しかし、自身の目的ややりたいことがある人、
考える時間・情報・経験が欲しい人にとっては、
gap year を前向きで貴重な1年にすることができると思います。

欧米の文化でも、日本の文化でも、実際は猶予期間のような要素を持つと思うのですが、
国によってとらえ方が異なるので面白いです。

自分は浪人した1年でいろいろと整理ができたことので、
前向きな gap year の考え方を知った時、ちょっと心が軽くなりました。

海外ではそんな風に捉えられているんだと、
ところ変われば受け取り方も違うのだなと思うと、
人と比べたりすることも少なくなりました。

進路に迷っているひとは「日本的gap year」もありです

高校3年間で決めきれなかったり、
進学したいのか、大学に行きたいかもわからないなんてこともあると思います。

それに加えて、1年間余分に過ごすわけなので、現役で進学した友達とは1年ずれてしまったり、
余分にお金がかかってしまったりします。

わたしの場合は高校3年間で決めきれず、卒業後は地元で浪人することにしました。
旅行したり、インターン(就業経験)をしたりってことはなかったですが、
将来のビジョンを考えたり、自分の行きたい大学についてゆっくり考えました。

浪人時代の前半はゆっくりして、後半で深く勉強に集中していきました。
じっくりと勉強に向き合えた1年だったので、
いまとなっては自分のペースで決断してよかったと思っています。

いま自分が浪人してしまって落ち込んでいるひと、決めきれない人、
こんな考え方もあると知ってもらえたら嬉しいです。

Tags

by
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA